発毛剤と育毛剤は薬機法上まったく別モノです!
発毛剤と育毛剤。一見すると同じと思えますが、実は薬機法で定められた違いがあります!
誤解したまま購入すると、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性もあります。ここでは、発毛剤と育毛剤の違いについて詳しく解説していきます。
発毛剤と育毛剤は全然違うよ
「発毛剤」と「育毛剤」はよく似ていますが、本当は配合成分やその目的がまったく違います。
年齢や症状に合わせて選んだ方が良いのですが、この2つの違いについてよく理解せずに使用している人が多いのが実情だと思います。
発毛剤と育毛剤という呼び方は、薬機法で定められた呼び方ではありません。薬機法では、成分の効能や副作用のリスクごとに、医薬品、医薬部外品、化粧品といった分類をしています。
発毛剤と育毛剤も、本来はこの分類に従って区別されなくてはいけません。しかし、市場に出回っている商品を見ると、その違いが明確になっていない場合もあり、余計にわかりにくくなってしまっています。
間違った商品を選んでしまうと、期待したような効果が得られない場合があります。また、健康上の被害に遭う可能性もあるので、発毛剤と育毛剤の違いについてよく理解しておきましょう。
自分に合ったものを選べるように、ここでは発毛剤と育毛剤の違いについて、詳しく解説していきたいと思います。
発毛剤と言われるモノ
発毛剤の目的は、新たに毛を生やすこと。髪が抜け落ちてしまった毛穴から、新しい髪を発毛させることができる商品です。発毛剤には毛母細胞を活性化のための成分や、DHTの生成を抑制するための成分が配合されています。
発毛剤と呼ばれるものの多くは、薬機法で医薬品に分類されている商品です。医薬品のなかには、主に医師の処方が必要な医療用医薬品と、薬局(ドラッグストア)などで市販されている一般医薬品があります。
医薬品に分類される発毛剤としては、医療用医薬品のプロペシア(有効成分フィナステリド)や一般医薬品のリアップ(有効成分ミノキシジル)などが有名です。
発毛剤を選んだ方が良さそうなのは、地肌が見えるほど薄毛が進行しているAGA患者が当てはまると思います。10代から20代の人で、薄毛ではないが抜け毛を予防したいという人には、発毛剤は向いていません。
育毛剤と言われるモノ
育毛剤の目的は、今生えている髪の成長を促すことで抜け毛を抑えること。細胞の新陳代謝を高めたり、血行促進するための成分が配合されています。また、頭皮環境を整えるために、抗炎症作用や抗菌作用がある成分が配合されているものもあります。
育毛剤と呼ばれるものの多くは、薬機法で医薬部外品に分類されてる商品です。ただし、薬機法の医薬部外品指定外の成分が配合されている場合は、化粧品という分類の育毛剤もあります。
医薬部外品や化粧品に分類されている育毛剤としては、チャップアップ、イクオス、フィンジアなどが有名です。
育毛剤は、抜け毛を予防したいと考える人に向いている商品です。10代や20代であれば、発毛剤ではなく育毛剤を選ぶことをオススメしたいです。
発毛剤と育毛剤の違い
発毛剤が新しい髪を生やすことを目的としているのとは違い、育毛剤は今ある髪の成長を促進させることが目的です。そのため、発毛剤の方が強力な効果が期待できる成分が使用されており、育毛剤は比較的効果が穏やかな成分が使用されています。
発毛剤と育毛剤の違いについて、まとめるとこのようになります。
■発毛剤
・医薬品に指定されている成分を配合したものが多い。
・新しく髪を生やすことが目的。
■育毛剤
・医薬部外品や化粧品に指定されている成分を配合したものが多い。
・すでに生えている髪の維持や、頭皮環境を整えることが目的。
医薬品・医薬部外品・化粧品の薬機法上の違いは?
医薬品、医薬部外品、化粧品には、期待できる効果以外にもいくつか違いがあります。ここでは、育毛剤について、これらの分類の違いについて見ていきましょう。
育毛剤としての医薬品とは?
「医薬品」とは、治療を目的とした成分が配合されており、一般的には薬と呼ばれているものです。厚生労働省により効能が認められており、製造や販売をするにも厚生労働大臣による承認が必要となっています。
厳格な方法により臨床試験が行われ、厚生労働省により効能が認められているので、効果についての期待度が高いということがメリットです。
しかし、他の分類とくらべると副作用のリスクが高めというデメリットもあります。
医師の処方や薬剤師による説明が必要なため、病院(AGAクリニック)や薬局(ドラッグストア)でしか購入できません。
また、育毛剤として医薬品を販売するときには、「髪が生える」や「発毛効果がある」といった表現が認められています。
育毛剤としての医薬部外品とは?
「医薬部外品」とは、予防などを目的とした成分が配合された商品です。厚生労働省により効能が認められた成分を、規定の分量配合することで医薬部外品となります。
製造や販売には許認可を受ける必要があります。しかし、医薬品と比べると副作用のリスクは低いため、購入の際に医師の処方や薬剤師による説明は必要ありません。
また、育毛剤として医薬部外品を販売するときには、「脱毛の予防」や「育毛」「養毛」といった表現が認められています。
育毛剤としての化粧品とは?
「化粧品」とは、医薬部外品よりもさらに効果が穏やかな成分が配合された商品です。認められた範囲内であれば、製造や販売に許認可を受ける必要はありません。
ただし、医薬品や医薬部外品に認められるような効能は認可されていないため、販売の際の広告表現は強く規制されています。
薬用育毛剤はどれに分類される?
育毛剤のなかには「薬用育毛剤」と書かれたものもあります。これは、「医薬部外品」の育毛剤のことをさします。
ただの育毛剤と書かれてあるだけでは、医薬部外品なのか化粧品なのか判断できません。そこで薬用と表示することで、医薬部外品であることを強調しているのです。
医薬部外品であれば、厚生労働省から効能が認められているので、効果への期待度も高くなります。当然ですが、薬機法で化粧品に分類される商品は、薬用と表示することはできません。
育毛剤の効果については、体質などの影響も考えられるため、一概に薬用育毛剤の方が優れているとは言えません。しかし、医薬部外品の方が安心感は高いように感じます。
まとめ
発毛剤や育毛剤と書かれているだけでは分かりにくいですが、実際には薬機法による分類がなされています。
発毛剤は、薬機法で医薬品に分類されているものが多く、期待できる効果は高いです。しかし、副作用のリスクも高めとなっているので、購入するには医師の処方などが必要です。
育毛剤は、薬機法で医薬部外品や化粧品に分類されているものが多いです。発毛剤とくらべると、期待できる効果が穏やかですが、安全せいが高く購入しやすいという特徴があります。
発毛剤は医薬品なので、特定の症状を治療するために用いられます。そのため発毛剤を使用するなら、AGAの症状がハッキリと出てからの方が良いかもしれません。
医薬部外品の育毛剤は副作用のリスクが低いため、10代や20代で抜け毛が気になる人が使用するのをオススメします。